
2020年10月より新しく「外貨建保険販売資格試験」がはじまりましたね。
サイト運営者の私も試験を受けました。
この記事では同じく「外貨建保険販売資格試験」を受ける方のために、合格に必要な勉強法や基礎知識を詰め込みました。
試験前にお役立ていただけると幸いです。
外貨建保険販売資格試験とは
外貨建保険販売資格試験が生まれた背景:不正販売の横行
近年、外貨建てで運用される保険の商品が増えてきました。
低金利の日本で円建て商品の利率が低下する中、金利の高い海外の国に目が向けられてきたためです。
2016年1月、日本銀行(日銀)は景気刺激のためマイナス金利を導入しました。
それまで保険会社は日本国債で商品の利回りを考えていたので大打撃。

こんなに金利が違うと外貨建て保険を取り扱う理由も納得できるかも
しかし「利率が高いから外貨建生命保険は円貨建生命保険よりも有利である」とは一概には言えません。
高い金利が期待できる一方、「為替リスク」「市場リスク」「元本割れリスク」などを抱えているためです。
リスクを理解した上での申し込みであれば良いですが、販売する側の説明不足により、契約後に苦情が発生するケースが問題視されていました。
苦情件数は2012年より一貫して増加し続けています。2018年は調査開始時に比べ約4倍です。
苦情の主な原因は
「説明不十分」が69%と全体の3分の2以上を占めています
この「説明不十分」のうち、
「元本割れリスク」にかかる内容が3分の1程度を占めています
そこでついに金融庁も重い腰を上げ、外貨建保険の販売を「資格制」にすることが決定されたのです。
こうした背景のもと「外貨建保険販売資格試験」が創設されました。
外貨建生命保険をオススメする時には、リスクの影響と対処方法を十分に説明する必要あり。
<具体的な損失発生例>
①為替相場の変動により、保険金や解約返戻金が元本を下回る可能性
②保険料を前納した契約を解約した場合、返還される金額が元本の下回る可能性
③円入金特約を付加せずにクーリングオフを行った場合は外貨でしか返還されない。自身で円転した金額が元本を下回る可能性

もう既に合格まで1歩近付いたね!
外貨建保険販売資格試験の目的
この試験の目的は
- 外貨建保険のリスク
- 外貨建保険の販売や勧誘を行う際の注意事項
を携わるものに再認識させ、お客様とのトラブル・苦情の発生を未然に防ぐためのものです。
そのため、お客様への説明方法や対応方法の正誤を求める問題が数多く出てきます。
この問題は試験問題の中でも最後の方に出てきますが、常識問題も多く点数が取りやすい部分です。
例えばこんな問題
<設問 次の記述のうち、適切なものには〇、不適切なものには×を記入してください>
外貨建生命保険はリスクの低い商品であるため、たとえばお客さまの老後の生活費のための契約であっても、お客さまの意向を確認していれば、許容できるリスクの範囲まで注意する必要はありません。
答え:×
2022年4月(予定)以降は、無資格の販売員に外貨建保険の取り扱いが禁止されます
外貨建保険販売資格試験の概要
試験方式:CBT方式(筆記ではなくPC受験のこと)
受験月:毎月実施。受験回数の制限なし(1日1回が上限)
受験手数料:1.750円
受験資格:専門課程試験を合格していなくても受験が可能
登録にあたっては専門課程試験の合格が要件
(2022年4月以降は専門課程試験の合格が要件になる)
試験方式がCBT方式のため、試験問題の持ち帰りができず過去問が出回っておりません。
ただ、試験中はA4の白紙とシャープペンシルが渡され、メモを取ることが可能です。(持ち帰り厳禁)
残り時間も表示され、どの問題から解いてもかまいません。
解いた問題数も表示され、旗マークを立てることで振り返りもできます。
CBT方式に不安を感じる方は、生命保険協会がCBT方式の体験版を用意しているので一度チェックしてみましょう。
(注:パソコン利用限定です)
出題範囲:令和2年度版テキストより出題(本文中の<参考><注>は出題範囲としない)
試験時間:40分
出題数:小問40題
出題形式:
①三択問題(正解を選ぶもの)…8問(1問2.5点)
②三択問題(誤りも選ぶもの)…8問(1問2.5点)
③短文の穴埋め選択(語句)…4問(1問2.5点)
④長文穴埋め語群より選択(数値語句)…10問(1問3点)
⑤正誤問題…10問(1問3点)
合格点:70点
全て選択問題ですが、40分の試験時間は他の生保資格試験と比べて短いです。
1問1分とあまり考える時間はないので、悩まずに済むようしっかりと頭に入れてから挑みましょう。
テキスト内容は6つの分野に分かれています。
- 外貨に関する基礎知識
- 外貨建生命保険販売の背景
- 外貨建生命保険の概要
- 隣接業界の投資性金融商品
- 外貨建生命保険のコンプライアンス
- 外貨建生命保険の募集に係るリテラシー
です。
試験の難易度は?:易しい
出題範囲が60ページのテキストのみと限定されているため、難易度は易しめです。
しかし、難易度が高くないだけに万が一にでも落ちることができません。
目安としては3日ほど勉強すれば十分かと思います。
オススメ勉強方法
①公式テキストを1度読む
試験範囲である公式テキストは1度でもさらっと読むことをオススメします。
外貨建保険の販売経験がある人にとっては常識な内容ですので、1度で十分です。
攻略相手(試験範囲)を把握する意味合いで、時間をかけずざっと読んでしまいましょう。

②ワークブックを読みながら練習問題を解く
実際の問題のポイントがまとめられているのはワークブックです。
練習問題を解く中でポイントが分かってくるので、語句をマークしておくと良いでしょう。
個人的なオススメとしては、6つの分野を逆から解いていくのが良いかと思います。
なぜかというと、先ほど設問の例を挙げたように
6つ目の分野の「リテラシー」問題がめちゃくちゃ簡単だからです。
前半の問題もそれほど難しくはないので安心してほしいのですが、「円高だと~」「円安だと~」といった問題が多いので少しだけ考えさせられる問題なんですよね。
解きはじめに時間を使って焦るよりも、簡単な問題から解いていってゆっくり考える。
それが一番落ち着いて取り組める方法かと思います。
③模擬テスト・一問一答集などを使ってひたすら問題を解く
全体のポイントがつかめたら、あとはひたすら問題を解いて慣れていくのみ。
新資格なのでまだ問題のバリエーションも少なく、同じような問題も数多く出題されます。
一問でも多く見慣れておくと良いでしょう。
特に誤りの文章を見ていくことで、出題者がどう引っかけたいか傾向がわかってきます。
「生命保険協会」が正しい問題の文章を「各生命保険会社」「金融庁」「内閣総理大臣」に変えて出していたりします。
受験体験談
受験前の対策
「難易度は易しい」とか言っておいてなんですが、
実は私は結構ちゃんと勉強しました(笑)

具体的な勉強法は先ほどの「オススメ勉強法」の通りです。
第一章から順に解きはじめたのですが先が見えないのが嫌すぎて、序盤で終わりから勉強する方法に切り替えました。

ただ、ひたすら問題を解いてみたい私には「ワークブック」と「計108問の一問一答集」しかありませんでした。
模擬テストは会社から配布されなかったのです。
そのため、複数の問題をまとめている以下のサイトを利用させていただきました。
利用していたサイト
「基礎を学ぼう」の項目では、章ごとの出題ポイントをまとめてくれています。まとめの後に例題もあり、章ごとに問題を理解していきたい方にオススメ。
「練習問題で強化しよう」の項目では、力試し問題が9回分あります。これだけの問題をこなしていれば、絶対合格間違いなしです。

受験日当日
久しぶりのCBT方式なので少し緊張しながら会場へ向かいました。
受験票に「集合時間に遅れると受験できません」と書いてあったので30分前には到着したのですが、なんとまだ会場が開いていない!笑
朝一番の時間だったからか、集合時間10分前に開場しました。
試験は完全持ち込み不可。時計も外さなければなりません。
本人確認書類だけ持って指定された席へ。
予定通り最後の問題から解いていき、20分で全問を解き終わりました。
残り10分で旗マークをつけた問題を振り返り、途中退出。

まとめ:試験は易しいが、万が一にでも落ちないように少しは勉強しましょう
おそらくこの記事を見ている人は、私と同じような心配性の人が多いのではないでしょうか。
ワークブックを読み、できる限り多くの問題に触れておけば大丈夫なので安心してください!
2022年に資格が義務化されるまでは、公平性を保つために問題の難易度も上がらない可能性が高いと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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